FiZのブログ

【小説家】小酒井不木の作品の特徴とその生涯を解説【医学博士】

 

私の大好きな小説家である小酒井不木を紹介します。

f:id:FiZ:20200626122700j:image

この記事の目次

来歴

 

小酒井 不木 こさかい ふぼく

本名:小酒井 光次 こさかい みつじ

生年1890年 明治23年10月8日

没年1929年 昭和4年4月1日

日本の医学博士、髄筆家、翻訳家で、数々の小説をのこした推理作家であり犯罪研究家でもある。

生理学の分野では当時世界的な権威だった。

 

*****


1890年(明治23年)愛知県海部郡新蟹江村に生まれる。

1914年(大正3年)東京帝国大学医科大学を卒業後、東京帝国大学大学院に入り生理学、血清学を専攻。

1915年(大正5年)妻、鶴見久枝と結婚する。

同年12月には肺炎を患うものの半年後に快癒し、再び研究に従事する。

1917(大正6年)年、東北帝国大学助教授に就任。

その後文部省より衛生学研究の目的で欧米への留学を命じられ渡英する。

1919年(大正8年)には長男望が産まれるが、喀血には襲われ英国・ブライトン海岸に転置し療養した。

1920年(大正9年)にはフランス・パリへ渡るが再び喀血し同年11月に帰国。

1921年(大正10年)医学博士の学位を取得。


以後研究の傍ら髄筆、海外探偵小説の翻訳など多方面での文筆活動を始める。


1923年(大正12年)関東大震災後、妻子と共に愛知県名古屋市に新築転居し、この頃から本格的に文筆に専念するようになる。

1925年(大正14年)からは医学的な専門知識を活かした創作も発表し始め、数々の作品を世に送り出す。

1929年(昭和4年)4月1日未明、39歳で急性肺炎の為死去。

専門書、大学教科書、医学書の買取サイト【専門書アカデミー】↓↓

  

作品の特徴

 

私が彼の作品に魅了された1番の理由は、彼自身「自分の作品が一部の人々に不快な感じを与えるのは、(人物の)取り扱い方があまりに冷たいからで、科学的なものの見方に訓練された結果、作中の人物に同情が持てないからだ」と語っている通り、その描写の生々しさにある。

医学者でもある彼の人体の描き方は医学的な見地から見た生々しく時に冷血な人体の表現と、小説家らしい豊かな比喩が混在しすぐ間近で作中の光景を見ているような錯覚に陥るほど描写にリアリティがある。

特に薬品や医学用語が並ぶ場面ではその一語一句で臭いや温度さえ感じるほど想像力を掻き立てられる。


またおどろおどろしいタイトルや文中の描写にもかかわらず、随所に彼の人間らしさやユーモアが伺える。

決して悲壮的なストーリーだけでなく思わず背筋を冷たくしていた事が恥ずかしくなるような結末や、誰も予想できないような大どんでん返しも期待できる。

さらに特筆すべきは、時に健気で愛しく時に恐ろしさすら感じる女性の書き方である。

特に恋愛を描く作中に登場する女性はしなやかで男を惑わす不思議な魅力があり、男性の読み手はふと沸く高揚感や深い喪失感など男性から見た女性の理想像をうまく描写している。

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書) [ 小酒井不木 ]

価格:2,750円
(2020/7/29 10:13時点)
感想(0件)

f:id:FiZ:20200626122709j:image

おすすめする作品

 

私の読んだ彼の作品の中で特に感銘を受けた作品を紹介する。

ネタバレを防ぐため最低限の説明書きしかできないが、ご興味を持った方は是非ご自身の手に取って読んでいただきたい。

 

按摩

旅先で呼んだ按摩が突然過去の殺人を告白する……

 

死体蝋燭

嵐の夜に和尚と小坊主が2人きりになった境内で、和尚が昔の罪を懺悔話しを始める……


恋愛曲線

結婚する親友に送る恋愛曲線とは……?


メデューサの首

身体に墨で落書きをする遊びに興じる私達に白髪の紳士が咎めるように話しかけ……


肉腫

男の右肩にできた命を奪うほどに膨らんだ大きな肉腫、男が望む最後の願いとは……?

 

 

専門書、大学教科書、医学書の買取サイト【専門書アカデミー】↓↓